<   2007年 10月 ( 7 )   > この月の画像一覧

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一季...二季...指をたたんで数えては 歩みを止める。

秋の午後はとても短い。
一分たりとも同じ色をとどめてはいない花々。
影法師は樹々の隙間を縫って知らぬ間に遠ざかってゆきます。
ゆっくり歩くのが心地いいはずなのに ついつい急ぎ足になってしまうのは何故?

写真は左上から右下斜めに『R.moscharta』。
フランネルのような産毛に包まれたしなやかな枝葉の手触り。
地を這う枝は土を離れてどこまでも。
この薔薇の前に一時間近く居座って
流れる雲を 共に同じ高さで見ていました。
いつの日か この薔薇を地植えにできるといいなと思っています。

中段を左右に 薔薇は『Lady Hillingdon』。
風を孕んで優雅にくたびれたさまが ひと際綺麗でした。
軸に紫 はらりと散るは琵琶のひと剥き。
まさにこの季節 この時間に生まれたのではないかと見紛う姿です。

我が身の棘に傷を印すは過ぎ去った風。
紫に暮れなずむ薔薇の名は最後までわからず...。
まだ名前がついていない薔薇かもしれません。
ハイブリッドティーですが とても好ましい樹形。
花はすべて俯いて咲いていました。

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写真は先日 神代植物公園で撮ったもの。
僕がこの場所を時折訪れてみたくなるのは
大切な人と共に歩いた道があるから。
季節もちょうど今頃 秋でした。

ただ...未だに薔薇を好きになってはくれません。
こればかりは仕方ありませんね。
開いた掌に 雲間からそっと金砂が舞い降ります。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-30 23:30 | 月季

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庭の真ん中の水色の柱。
2階のバルコニーを支えるための足です。
もう1本は庭の片隅の邪魔にならない場所に...。
塀に沿うが如くひっそりと建っています。
庭へ降り立つ窓を開けると...
いちばんに目に飛び込んできた淡くやさしい朝靄の色。
年月を経て錆び落ちた鉄が醸し出す...すべらかな肌。
庭にホースを回すにも 鉢を移動させるにも...。
幾度となくこの柱を邪魔に感じてきたけれど。

来年以降...
この場所で薔薇を育てる事ができなくなるかもしれません。
街暮らしでは決してめずらしくない事です。
人の暮らしも街の眺めも...常に移り変わるもの。

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邪魔だ邪魔だと感じていた柱も
今では古くからの友人のような...。
そんな親しさを覚えます。

この写真は、今年の春に撮ったもの。
薔薇は一季の『Rosa Iwara』です。
夕暮れどきだったかな?

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-23 23:30 | 日暮らし
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どの季節にもこの薔薇の本来あるべき姿を探しているように思います。
あってないようなもの。
あるからこそ ないように見えるもの。
ないと思うからこそ あるように見えるもの。

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萼と花びらの間にある線を自ら断ち切って、
風のない朝に たださえざえと色斑を散らす。

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〔Sai Zhao Jun 賽昭君 (China Rose) /Unknown:China:Unknown]

薔薇は乱れるもの。
俯く花、交わす眼差し。
こころも千々に乱れるもの。

ほんとうの姿などないのです。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-22 23:00 | Sweeter than Sweet
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時折 土を湿らせる雨もそう長くは続かず。
例年にないほど軽やかな秋の姿。
日中は目を細めるほどの陽射しです。
空が高く 雲ひとつない晴れ渡った空は 丸に四角に三角に。
夏から冬へとかけられたリボンは
このまま芯まで巻き取られてしまうかもしれません。

今、写真の整理をしています。
PCの容量も飽和期を迎え 朝夕起動する度 機嫌を損ね続けています。
同じようなショットは少しずつ整理しなければなりませんね。

枯れた姿を先に披露したりして開花期をUPしなかった花や
フィルムとデジカメで同時に記録しながらも こぼれ落ちてしまったかけらたち。
ぼんやりした横顔も 一定の月日を経て丸みが増したように感じます。

明日からの1週間。
7回に分けて日々更新する予定です。
春と夏がそれぞれに落としていった忘れ物...。
合間に秋の薔薇の姿を挟みます。
今日の写真はアリウム・シューベルティ。
以前に枯れた姿を記事にしました。
この写真はフィルムで撮ったものです。

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[アリウム・シューベルティ:Allium schubertii]

過ぎ去った夏は既に遥か彼方。
ぼんやりと瞼の裏に打ち上げられた花火です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-21 14:00 | 月季
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〔Stanwell Perpetual(Hybrid Spinosissima) /Lee:UK:1838〕

今までに出会った薔薇の中でおそらく最良のもの。
僕のもっとも好きな薔薇のひとつです。

淡い蕾。
奔放に四方へと枝垂れた枝先...捩れながら花弁がそっとほどけるさま。
透き通る大小の紅い棘に覆われた華奢なその躯。
花芯に向かって時にゆるやかに...。
時に寸分の隙もないほど凛として折りたたまれた花びらの配列。
やさしく滲んだピンクは日を追う毎に薄くなり、
やがて散り際には真っ白に退色する。

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こぬか雨に沈む 蒼みを帯びたダマスクの香り。
花だけではなく、枝葉、主幹にいたるまで...。
樹全体から立ちのぼるは森林の微粒子。

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今年の夏。
焼けたうなじから新しい皮膚が何度も再生されるほど、
日々容赦なく照りつける強い日差しに薄い葉はちりぢりになり、
時に枯れ葉のようにしおれていました。
もうこのまま枯れてしまうかもしれないと半ば諦めていた頃。
...思わぬことにシュートが二本も出て来たのでした。
それでも当分は花は望めないと思っていたんです。

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鋏を入れたからといって必ずしも蕾をつけるとは限らない。
季節折々の狭間に咲く、その気まぐれな性質もとても素敵だと思います。
少し大袈裟かもしれないけれど、生きてこの薔薇に逢える喜び。
指先が熱くなり...躯のそこかしこに眠る細胞がめまぐるしく駆け回る。
いつもそんな感覚に襲われます。

写真は最終的に2枚まで絞り込む予定でしたが、
この薔薇の持つ様々な横顔が今も捨てられずにいます。

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目に見えるうつろいがこんなにも美しいものだと言う事を
どの季節にも胸に問いかけてくれる希有な存在です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-18 00:00 | Sweeter than Sweet

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週末毎に淡い雨が降ります。
何処を見渡しても夏の面影はなく、未だ冬の兆しも見えない。
秋はただひとりで其処にいるかのようです。

先日久しぶりにカメラを手に、長い散歩をしました。
傘をさし、目黒をぐるり廻って白金へ。
銀杏並木の坂道で世にも美しい樹の実を拾いました。
雨に濡れた舗道に雫をたっぷりと吸って横たわっていた房。
葡萄のようなこの房はいったい...何?

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こんなに濡れていたのでは、カビが生えてしまうかもしれない...。
そう思いながらも、沢山の木の実と一緒に連れ帰り、
麻紐に結わえ、1週間程乾燥させたところ、なんとも渋い輝きを放ちます。
しばらくはこのまま...ゆらゆら揺れる姿はシャンデリアのようです。

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毎年この時期、舗道に落ちたイイギリの実を拾うのが楽しみなんです。
紅から黒へと変化する実はまことに美しい...。
ドングリの下に並んでいるオリーブのような色の実は、
蜜蝋を塗ったような表皮、指に触れるとべとつきます。
傷痕からメープルのような液体が吹き出て飴色に固まっています。
土に植えきれなかった卓上のサフランもようやく芽が伸びてきました。

庭で熟した薔薇の実や、朽ちて弾けたマリーゴールドの花びらと種。
同じ硝子の中で、共に日々変わりゆく姿。
1枚目の写真の左上、梅の実のような球体は、
イングリッシュ ローズの『The Generous Gardener』。
他の薔薇の実に比べてかなりの大きさです。

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図鑑を片手に、枝葉や実の形状を調べるのも楽しい季節。
まだ知らない事...まだ知らない名前。
それはとても楽しい事なのだとあらためて感じる次第です。

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珈琲の湯気も今朝はよりくっきり...まるで煙草の煙のようでした。
確実に冬へと近づいているんですね。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-15 00:00 | 定点観察

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〔Baronne Henriette de Snoy(Tea Rose) /Bernaix:France:1897〕
〔Rosa Virginiana: (Species) /Unknown:North America: pre-1807〕
〔ハナミズキ(Benthamidia florida)/ミズキ科ヤマボウシ属〕

朝な夕なに路地歩き。
散歩が心地よい季節です。
急ぎ足でも肌に汗を感じなくなりました。

ひんやりと澄みきった秋風の中に身を潜めるのは誰でしょう?
何処からともなく花びらの匂いが流れ来ては頬をすり抜けてゆく...。
歩き疲れて玄関の扉を開ける頃、
胸の底へと沈んだ花々は再び目を醒まします。
一昨日あたりから金木犀の匂いに街中が包まれていますね。
もう充分だよ...と誰もが口にする頃には決まって姿を消し、
隙間なく密に茂ったその枝先を枇杷色に染めていた事さえ誰もが忘れる。

我が家のちっぽけな庭にも、ようやく秋がやってきたようです。
夏に力を使い果たした草花たちは葉先を金色に染め...
やがてやって来る冬に向けて虫たちも急激にその身を太らせています。

もう秋薔薇と呼んでも何の遜色もないでしょう...。
ほんの少しずつですが、咲き始めています。
今年の秋いちばんに、その季節の豊かさを運んでくれた薔薇は、
ティーローズの『Baronne Henriette de Snoy』でした。
開き切った姿は、親である「Gloire de Dijon」によく似ていますね。
和紙のような薄紙を思わせる花びら。
細くすべらかな枝に俯いて咲くさまは
もう片親の「Mme.Lombard」を彷佛とさせます...。

夏場には新芽をことごとくゾウムシにやられ、
咲こうにもなかなか蕾を膨らませることの出来なかった薔薇です。
僕は普段から、所謂摘蕾というものがなかなかできずにいます。
夏に咲く事が出来ず、うずうずしていたのかもしれません。
ぼんやりしている主にかわってゾウムシが摘蕾してくれたようなもの。
憎っくき存在ですが、時には感謝しなければなりませんね。
庭から室内へ...日々移り変わる姿を光と共に追ってみました。

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枝葉が紅く染まるにはまだまだ秋も日が浅い。
肌の色には真っ赤に熟した丸みが映えるように思います。

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今年の猛暑ですべての葉が焼け落ち、
深まる秋に染まる希望を失ってしまったハナミズキの枝。
葉がない分、実がとても目に鮮やかです。
初めて手折ってしまいました。
鉢植えでハナミズキを育てるなんて...ちょっと可哀想ですね。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-10-09 00:00 | 月季
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