<   2007年 06月 ( 7 )   > この月の画像一覧

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〔Blanc de Vibert〜Blanche de Vibert (Portland)/Vibert:France:1847〕

一季咲きの白薔薇の蕾がほころび始める頃には、
決まっていつもよりも早めに起床していた事を想い出します。

まだあたりが薄蒼い時間帯。
やわらかな花弁に闇を纏い、時間とともにゆるやかに開き始めるさまは、
どの四季咲きの薔薇にも見られない美しさ。
その一瞬は、白薔薇だけに許された朝まだきなのかもしれません。

次に逢えるまでの一年間。お互いに長い月日等、さも忘れたように過ごすのでしょうか...。

薔薇がお好きでない方も、もちろん薔薇を愛してやまない方も...。
薔薇には特別興味のない方でも。
白薔薇が嫌いだという方はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。


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〔Mme. Hardy (Damask)/Hardy:France:1832〕

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〔Alba Semi-plena (Alba)/unknown:unknown:pre-1600〕

1枚目の薔薇はポートランドの『Blanc de Vibert』。
葉色も淡く好ましい、ほどよい中輪の花はつんとするほどの甘酸っぱい香り。
終焉に向かって花びらの配列が乱れる頃に真の美しさを発揮するように思います。
この薔薇も大好きなVibert 作出。
氏の作出した薔薇の中でもお気に入りのひとつです。
季節を問わず、忘れた頃にぽつんと返り咲きます。

2枚目は『Mme. Hardy』。
3年程前に新苗で迎えてからというもの、株は充分過ぎる程成長しましたが、
花を見るのは今年が初めてになります...。
たった一輪だけ、斜上した枝先にぽつんともの言わず花開いたさま。
続く3、4番目の『Alba Semi-plena』と共に、10号鉢で育てています。

『Mme. Hardy』と同じ時期に迎えたこの薔薇には、多大なる信頼を寄せています。
特別な施肥や管理も必要とせず、毎年隙間を埋めるように房になって咲きます。
沈んだ色調のグレイの薮に点在する蕊も鮮やかな白い花...。香りも素晴らしい。
挿し木で育てた小さな苗もありますが、時折、非常に花弁の多い姿になります。
手持ちの図鑑のひとつに紹介されている『Alba Semi-plena』は、
ピンクがかった巻の多いふくよかな花容。どう見ても『Alba Semi-plena』ではない...。
当初、編集の際に何かの手違いで違う薔薇の写真が使われたのだろうと思っていました。
我が家でそんな姿を見かけた時には、びっくりしたものです。
あまりにも特徴的な、ひと目でそれとわかる完成された花にも起こりうるものなのですね。

いちばん最後の薔薇は、ティーの『Hovyn de Tronchère』。
本来なら、もう少しアプリコットが強く出るはずですが、
我が家では今年の春、このような色で咲きました。
すべての枝先に開いた花は、重くうつむきなんともいえない情感を醸し出します...。

白薔薇は問わず語り...。
何も話しかけずとも、その花容がすべてを物語ってくれます。
ただ何も考えず、それぞれの薔薇の持つ美しさを味わっていただければ幸いです。
つたない写真ではありますが、どうぞご容赦ください...。
皆さんそれぞれの朝、6月最後の週末にこの白い薔薇たちが咲きますように。

G d D

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〔Hovyn de Tronchère(Tea)/Puyravaud:France:1899〕
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-30 07:00 | Sweeter than Sweet

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先週末、久しぶりに遠出をしました。
行きと帰りで全く違った表情を見せる海岸線からの眺め。
何千人もの走者の中から、友人たちを探すのはそれこそ一苦労。
スタートとゴール。それぞれ無事にフレームに収める事ができたのが何よりの救いです。

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芝生から沸き上がる熱気と人いきれ...汗の匂い。
今年初めて食べたスイカはとても瑞々しく遠い夏休みの味がしました。

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この日は、なんとなくフィルムで撮ってみたくて、
実に沢山シャッターをきりました。
写真の7割程は友人たちとのスナップ及びポートレート。
老若男女、目に滲み入る汗をも厭わぬ...走る人々の美しさ。
いつの日か、またご紹介できる日が来るかもしれません。

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盛りを過ぎた紫陽花たちは、見知らぬ顔でもすぐに迎え入れてくれる...。
そんな例えようもない親しさを持ったおおらかな花なのかもしれません。
紫陽花はフィルムがお好き?
雨を纏わない乾いた姿が今年の空梅雨を再認識させてくれます。

一足先に夏を満喫した一日でした。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-28 07:00 | 日暮らし
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〔Rosa rubrifolia:Rosa glauca (Species) /unknown:Southwest Europe:1830〕

この薔薇たちは5月初旬に摘んだもの。
『Sister Elizabeth』や『賽昭君 』、そして『Yolande d'Aragon』etc...。
ボウルに張った水は、ゆっくり時間をかけ徐々に滲み出してしまいます。
主不在の空虚な部屋で薔薇が干涸びてしまってはいけません...。
あらたに挿し変えたのは『KONO』のコーヒーサーバー。
普段はもっと小さい2カップ用を使っていますが、
これは縦長のアイスコーヒー抽出用。
冷たいものはめったに飲まないので、もっぱら花器に。
と、云いつつも...。

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〔Sai Zhao Jun 賽昭君 (China Rose) /Unknown:China:Unknown〕
〔Eugene de Beauharnais (China or Bourbon) /Hardy:France:1838〕
〔Sister Elizabeth (English Rose) /Austin:UK:2006〕
〔Yolande d'Aragon (Hybrid Perpetual)/Vibert:France:1843〕

あれからひと月が経ち、冷たい飲み物が喉にうれしい季節になりました。
『Sister Elizabeth』は途切れる事なく...次々に蕾を立ち上げています。
器だけではなく、季節も移ろうと過ぎ去った薔薇でも表情を変える...。
ただ単に衣が1枚薄くなり、体感温度が変わっただけなのかもしれません。

それぞれの薔薇の表情が、もう少しだけ詳細に分かるものがあれば...、
そんな嬉しい声もいただきました。
こうして日の目を見ることになった新たな1枚です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-27 07:00 | 日暮らし
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〔Sweet Chariot (Min) /Moore:US:1984〕

虫たちの活動が日に日に活発になっています。
薬を撒く気になれないのもありますが、それだけ必至になって防御しても...。
彼等にとって、なにより成長に必要な栄養分を貯えなくてはならない時期なのでしょう。
やがて季節は巡って虫たちも身をひそめてしまいます。

今年はカマキリやテントウムシの幼虫をあらゆる枝で目にしました。
なんだかとっても嬉しくなってしまいます。
沢山食べてね、アブラムシ。
虫たちの攻撃にあう前に散ってしまう薔薇は、
自分がいちばん美しく咲く時期をよくわきまえているのかもしれません。

季節は既に6月も半ばを過ぎ、庭へ降りたつのも億劫になる夏がやってきます。
今年は空梅雨なのかな。
ただでさえ湿気のこもる庭です。
今年のように天候に恵まれた年は稀かもしれませんね。
例年に比べると陽射しが強く、カメラを持って庭へ出るのが躊躇われます。

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〔Rosa Virginiana: (Species) /Unknown:North America: pre-1807〕

今日は新苗の植え付けなど...、
忙しさにかまけてほったらかしになっていた庭に、少しだけ手を加えました。
移りゆく次の季節へ草花たちも衣替えしなければなりません。

紫陽花が色を失ってゆく中、薔薇たちは日に日にその実を豊かに膨らませています。

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〔Rosa Moyesii Geranium (Hybrid Species) /Royal Horticultural Society:UK:1938〕

1枚目の写真は今年の春に、我が家で初めて花開いた草イチゴ。
齧ってみると野性味のある酸っぱさ...。
よりそう薔薇は『Sweet Chariot』。我が家ではたったひとつのMiniatureになります。
開花から散り際まで...、一輪一輪が移ろい退色してゆくさまはとても見事。
小さな薔薇ですが、非常に鮮烈なダマスク香が漂います。
可憐な姿よりもその匂いに驚かされた薔薇かもしれません。
地際から次々にシュートを出し、自力で株の更新をはかる旺盛な生命力。
紫の銘花 『Violette』が親ということは野イバラの血が流れている訳ですね。

そして実を結ぶ薔薇の一握りを.....。
2枚目は『Rosa Virginiana』。
開花は5月の終わりから6月にかけて...。
遅咲きで、しかも一日で散ってしまう刹那の薔薇ですが、実を結ぶ早さにはびっくりします。
花弁は常に自らの粉で黄色く染まり、遠目に見ると非常に柔らかい色彩。
弱いながらもしっかりと薔薇特有の匂いがします。

3枚目は『Rosa Moyesii Geranium』。
花芯・蕊の美しさは他に類を見ません。
まだ新顔ですが、その樹形の美しさといったら!
大きく弧を描いて撓んだ姿には、力強さと優雅さ、相反する美学さえ感じるほど...。
小さな葉が、その枝振りをさらに露なものに見せるのかもしれません。
『Rosa hillieri』と共に来年の開花が楽しみな薔薇のひとつです。
モエシー一族には心惹かれる薔薇が多く、胸を掻き乱されますね♪
実生とされる『Highdownensis』や、『Sealing Wax』、『Arthur Hillier』etc...。
いつの日か、入手できるものなら手許で育ててみたいと思っています。

最後は『Rosa Manetti』。
ちょっとオリーブの実のようですね。
この薔薇も兎に角樹形が素晴らしい...。
涼しげな葉は、これからの季節に涼を呼び込んでくれるかもしれません。
無事に落ちずに秋までに色づいてくれたら...。
その変貌する姿をおいかけてゆくのも、ちょっとした夏休みの観察日記のようで。

また薔薇か.....、などど仰らずに。
もうしばらくは出番を失ってしまった5月の薔薇たちにおつき合いください。

G d D

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〔Rosa Manetti: (Noisette) /Manetti:Italy: 1835〕

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〔越の粧〕
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-17 21:00 | 月季

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〔Butter Cup (English Rose) /Austin:UK:1998〕

常々より、望んでお迎えした以上はどんな薔薇でも愛おしいもの...。
などと柄にもない綺麗事を綴っておりますが...。

その時々で夢中になる薔薇が次から次へとめまぐるしく変わり、
挙げ句の果てに庭の片隅に追いやられてしまう哀しい存在の薔薇もあります。

薔薇だけではなく植物を育てている人の中には、身に覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

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この薔薇は、極々初期に迎えたものです。
その名と、半八重の儚い姿になんとなく惹かれるものを感じて。
直立ぎみで枝も暴れず、その姿は華奢ながらも成長力は旺盛です。

多くの薔薇は、明け方...、まだ風の凪いている時間帯が姿も匂いもいいとされています。
朝日を背に受けて露を纏い...、時を止めてしまったかのようなその姿には、
思わず息を呑みシャッターを押すタイミングも失ってしまうほどです。

先日、花のほとんどが終焉を迎えた日に庭に降り立ち、
花柄などを摘み、枝の整理や雑草の処理に時間を忘れてしまい気がつけば夕暮れ。

僕は普段から、冬の夜空は黒く、夏の夜空は蒼いと感じています。
ひたひたと音もなく降りて来る夕闇の色も季節それぞれの色を持っているものです。
蒼い闇の中に浮かんだこの薔薇の美しさに、
棘に裂かれた腕や、蚊にさされたうなじの痛がゆさなど瞬時忘れてしまいました。

重ねの薄いその姿からは想像もできないほどの豊かな香りを持っています。
同じERの黄薔薇、『Graham Thomas』よりもさらに濃厚な匂いです。
同じティー香ながらも、例えるなら疲れた時に飲む蜂蜜入りの紅茶...。
そこへ果実の匂いも交じります。ホントに甘い甘い匂いです。

秋明菊のように細く高く伸び、風に揺れる姿。
咲き始めは山吹のようにこっくりした色合いですが、
退色して散る間際は原種の薔薇にも似た風情。
我が家では数少ない黄薔薇のひとつです...。

G d D

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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-12 00:00 | 日暮らし
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〔R. luciae wichuraiana:テリハノイバラ(Species) /unknown:China and Japan:1843〕

今日は久しぶりの豪雨に見舞われた日でした。
いつもより遅く目覚め、窓を開けると辺り一面白い雨の世界。
しぶきを浴びる草花たちも久しぶりのまとまった雨に活き活きとしていました。

1枚目の写真は、我が家の薔薇たちの中でもいちばん開花の遅いテリハノイバラ。
毎年、他の薔薇たちがすべて咲き終わったあと、6月に入ってから開花します。
淡い斑の入ったこの株は見るからに涼しげ...。
日中は蒸し暑い日が続くこの時期、襟や袖口からほんの少し入り込む風のように
火照った体温を下げてくれるような...そんな貴重な存在です。
その匂いは甘酸っぱいパイナップルのような...石鹸のような...爽やかなもの。
園芸店で処分苗として片隅に追いやられていたのですが、なんとも可愛らしい薔薇です。
ちょっと横ばりかな?背丈は高くならず兎に角、横へ横へと広がります。
蕾はクリーム色がかっていますが、開花とともに徐々に真っ白に。
花首の下からなんとも好ましいピンクに染まり、枝毎の托葉にもピンクを散らします。
株全体の色彩がとても美しい薔薇のひとつかもしれません。
この薔薇が咲くと、あぁ...、もう6月なんだなぁ...と再確認する次第です。
テリハノイバラは、つる薔薇の系統の元をなす親薔薇としても有名ですが、
我が家にある株は斑入りですから、その詳細は謎に包まれたままです。

そして山紫陽花の数々...。
薔薇はおろか、今年は紫陽花もあっという間に終わってしまいそうな風情です。

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〔伊予時雨〕
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〔ユキノシタ〕
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〔虹〕

近年の改良に改良を加えた所謂西洋紫陽花にも美しいものは沢山あるけれど
山紫陽花は原種の薔薇にも通じる、薄いしなやかな葉と細い枝振りがなんとも奥ゆかしい。
花をつける今の時期の葉もそれぞれ色味を帯びて美しいけれど、
秋には紅葉する葉も嬉しいものです。
実を結んだ原種の薔薇たちと同じように四季にわたって楽しませてくれます。
比較的コンパクトに育てられるので、狭い坪庭のような我が家には有り難い存在です。
今日の豪雨でちょっと痛みぎみ...。そろそろ終わりかもしれませんね。

花を見て涼を感じる季節まで、もう少し時間の猶予が欲しいものです...。
6月はすべてが湿度を帯びて蒼白く煙る...、美しいひと月であることには変わりありません。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-11 00:00 | 月季

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〔Mrs. Doreen Pike (Hybrid Rugosa*English Rose) /Austin:UK:1994〕

何も薔薇に始まった事ではないけれど、
自然と向き合うには年月を要する事も多々あります。
人と人との関係もそうかもしれませんね。

痺れをきらす程に焦らされ、幾年暦を捲っても茂るは葉ばかり...。
すべての薔薇は花だけにあらず。
幹も葉も棘もすべてが愛おしいもの。

ルゴサの葉はあまり好きになれないものが多いけれど。
この薔薇に関しては、刻んだ葉脈も柔らかく、明るい緑をたたえて好ましい。
時折翳る表情豊かなピンクの花弁...、糸のように細い飾り萼、鋭い棘。
図らずも、僕が望む要素をたっぷりと秘めた薔薇であることに違いはありません。

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枝毎の蕾は、日をずらしてゆっくりと開花してゆきます...。
折りたたまれた花弁は乱れに乱れて優しく捩れ、まことに美しい!
我が家では開花は遅く、他の薔薇がひと段落した5月中旬に咲きました。

その匂いは、雨に濡れた苔。
芍薬にも似た、青い草樹だけが持つ鮮烈な生々しさ。
痛む寸前の薔薇が放つダマスク香のようにも...。
強いけれど、緩急をわきまえた変幻自在な野生の匂いです。

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片恋なら実らない方がよろしい。
繰り返して晩夏まで咲かなくてもよろしい。
待ち焦れた薔薇は、一度だけの季節に影を落として過ぎ去っても構わない...。
その姿は、どの角度から眺めても5月をまとっているように感じたものです。

取り澄ました体を装っても、胸の内に過った火は見えていたかもしれませんね。
僕が業を煮やした昔など知る由もなく。
ただひたすらに幾重にも...紙のように薄い貴女です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-06 00:00 | Sweeter than Sweet
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