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〔タンポポ / Dandelion:Taraxacum〕

十二色の季節の色。
それぞれひと月を色で纏め表すのは至難の業です。
儚い二月はリボンを解き、春へ向かう新しい草色へ。
雨水と啓蟄の間にあるものは何でしょう?
虫たちも季節の体温を感じ取るのに懸命です。



ひとの身体の中に在る、季節を察知する感覚は磨かれないままに...。
暦を捲れば、ひとたび不思議な春へ一気に加速するのでしょう。

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〔ルッコラ / Eruca vesicaria〕

今年は薔薇を野に還そうと思っています。
我が家で蔓延る草花は、きっと両手で数えられるほど。
今になって始まった事ではないけれど...。
さらに放任栽培を目指してみるのもいいかもしれません。
改良に改良を重ね、情熱をもって人が創り出したモダンローズでさえも。
程よく手をかけ、程よくつき放す.....。
気侭勝手な過ぎる程の期待はお互いによくありませんね。
狭い敷地で人間の欲望の為に身をやつす薔薇。
縁あって我が家へ迎えられた薔薇の運命!!!
気高い眼差しはそのままに、名もなき草花たちとも今年は仲良く。
地上では袖触れあう事はなくとも、土中で根同士は意外にも近いように。
どうぞ美しく生きてください。

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〔Cuisse de Nymphe : Maiden's Blush (Alba Rose) / Unknown〕

花に上も下もないと思いますが、下草とは解せない響きです。
時に文字は本来の意味を表すその前に、人の目にとまらず通り過ぎてしまう。

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〔菜の花 / Brassica rapa〕

頬にすべる風をなまぬるく感じ始めたら...。
平日の空いた電車に乗り、未だ訪れた事のない町へ。
日がな一日野に寝そべり、見えない風の姿を探すのです。
土の少ない街暮しでは、写真のような景色は贅沢そのもの。
柔らかい枝を手折る無邪気な指...。
いつもより少しだけ早く風に乗って舞い上がり。
どの地で根付き、花開くかは...そう!次の季節のお楽しみです。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-02-28 00:00 | 月季

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〔月桃/Shell Ginger: Alpinia zerumbet 〕

切り花でジンジャーが出回っていた季節...。
枕元の花筒にごっそり放り込んだ花は、
薄蒼い室内に相応しく深い眠りを誘う甘い芳香。

窓辺に置いた、そろそろ旬も過ぎつつある水蜜桃から流れ来る果実本来の匂い。
痛む寸前の果物や花の匂いは人肌と同等の密度を感じさせますね。
いつもよりぐっすり眠れたせいでしょうか。
今でもちょっと忘れられない晩夏の記憶です。

春から晩秋にかけては、眠る際にも窓を開けたままの事が多いのですが、
夕方にもなるとあちこちから雨戸を閉める音が一斉に...。
東京で暮らすようになって、まず始めに受けた軽い衝撃でした(笑)
僕が育った地方では、旅行でしばらく家を空ける時か、
もしくは台風に備えて。年に数える程しか雨戸を閉めたりはしませんから...。

庭にこんな匂いを放つ植物があったら暑さも忘れさせてくれそうです。
今年は種から育ててみよう!...と、昨年思い立ち今我が家にある種。
通常のジンジャーと違って、寒さに弱いとされている月桃。
初夏に咲く花は、なんともあやしい艶やかな風情。見目麗しい南国の姫君。
形状は異なりますが、その色合いは同じく南国のプルメリアにも似た印象。
葉にも心地よい芳香があって、ポリフェノールが含まれているとか...。
沖縄あたりでは、この葉で餅を巻いたりするのだそう。

本土では発芽率がいまひとつだという事ですが、
なんといっても今年は暖かい!
今からでも遅くはないかな?
試してみる価値はありそうです。
それにこの美しい実を鑑賞できるなら、なんとしてでも...!
この枯殻からもスパイシーな匂いがします。
種を取り出すだけで心地よく鼻腔をくすぐるほど。
花が咲き、実がなった暁には、またこのブログでお披露目いたします。
...花が咲くまでには相応の年月を要するかもしれません。

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〔ブルー クローバー/Parochetus communis 〕
〔イベリス /Iberis sempervirens〕

2枚目の写真はイベリスと青い花の咲くクローバー。
冬の作業の合間に慌ただしく撮った一枚です。
我が家には通常のクローバーも鉢のいたるところに棲んでいますが、
このクローバーは徒長しやすいのか、ひょろひょろと蔓のように伸び、
他の植物に絡みついています。でもそんな風情もご愛嬌。
なんとなく気に入っています。ちょっと豆の花のよう...。
毎年、花のない冬時期にもぽつぽつ咲き続けて愛らしい。
イベリスは所謂キャンディタフトと呼ばれるピンクの一年草とは別のもの。
この白花は宿根草になります。花の時期は本来ならもう少し先ですが、
その年の気候によって、開花が微妙にずれる性質があるように思います。

最後の写真は、切ってそのままコップに挿した冬の名残の薔薇。
なんだか適当で、薔薇に対して失礼かな...とも感じるのですが...。
日暮らし。我が家のテーブル...、日常のヒトコマかもしれません。

G d D

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by MiscellaneousOGRs | 2007-02-12 00:00 | 日暮らし
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〔KNEF (Hildegard Knef)/Decca SLK 16633-P:Germany:1970〕

或る日、出逢った一枚のコンピレーションアルバム。
どの楽曲も素晴らしく、甘美な調べはまだ醒めきらぬ鼓膜に優しい陶酔を。
新譜の封を切る時は、深夜か、もしくは休日の早朝。
時間をゆっくりと贅沢に使うことのできるひとときに。
そのアルバムの中にあって、鼓膜でとどまらず僕の心臓を貫いた声がありました。
ハートに矢が刺さったとは正にこの事。意識する事なく恋に落ちたのです。
音を拾い上げた耳から、全身を駆け巡り指先まで熱くなった事を想い出します♪
ちょっと男性なのか女性なのか瞬時に判断する隙も与えない程の個性的な声。
大袈裟かもしれないけれど、きっとその時僕の血となり肉となった気がしています。

旅はそこから始まったのでしょう。

遠く離れた地に住む恋人に逢いにゆくように...。
僕は彼女のレコードを集め始めたのでした。
数えてみてはいないのですが、
何十枚手許に集まったのでしょうか?
中には手放してしまったものもありますが、
現在でも僕の大切な宝物かもしれません。

といっても僕がコンプリートしたいのは70年代の極々前半のものまで。
優れたアルバムが何枚かありますが、それはほとんど手に入れましたから、
あとは数多くリリースされているEPですね。

音楽の形態はめざましい発展を遂げ、
現在では様々な環境において愉しむ事ができるようになりました。
実態を深く知ることなく簡単にダウンロードする事が出来る現状。
でも、なんとなく味気ないように感じますね。便利ではあるけれど。
そう!カセットテープに録音した「音」がいちばん好きだと云っていた友人もいました。

僕はレコードの音がいちばん好き。
温もりと立体感を伴った音の世界の広がりは唯一無二のものだと思うから。
スリーブから盤を取り出し、針を落とすまでの行為も好きです。
その合間に背中で珈琲が音もなく落ちてゆくようであれば尚更!
それ以上でもなくそれ以下でもない、計算された約30×30cmの世界。
レコードジャケットのデザインにはすべてを削ぎ落とした簡素な美しさがあります。
それに眺めても楽しいものでしょ?

今日の一枚は1970年、彼女が40歳の時にリリースされたもの。
アルバムに自身の名を冠し、粒ぞろいの楽曲も光る...、
「Hans Hammerschmid」との相性も変わらず抜群。
コンセプトも明確な素晴らしい一枚に仕上がっています。
何よりもジャケットのアートワークが秀逸です。

彼女の名前は『Hildegard Knef』。
ドイツを代表する女優であり、シンガー。
加えて文筆業もこなす...すべてにおいて精力的なマダムだったのでしょう。
母国ドイツでは切手になった事もあるほどの国民的なスターでした。(この切手も欲しい!)
残念ながら2002年に亡くなられましたが、僕はこれからも旅を続けてゆきます。
遠く離れたドイツと日本を結ぶもの。未だ見ぬ彼女の声に逢うために...。

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僕は、人の『声』というものを忘れる事がありません。
懐かしい時空の彼方に佇む旧友も。
袂を分かちそれぞれ別の人生を歩む事になったかつての恋人達も。
顔や名前は忘れても、声だけは不思議と憶えているものなのですね。

彼女のレコードにはまだまだ素敵なものが何枚か存在します。
また折にふれてご紹介いたしますね。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-02-05 00:00 | No Sad Songs for Me
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