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グランドマザー.....、なんとも素敵な響きです。

毎年、この季節になると帰省の支度も程々に、
切符の手配や、留守にする間の庭の植物の事前管理等、
様々な雑用が一気に増え、部屋の中も師走の様相を呈してきます。
薔薇を育てる者にとって、ただでさえせわしない12月。

実家にはロクに寄り付きもせず、
一目散に祖母の家に駆けつける僕を、両親はどう思っているでしょう?
まぁ、呆れ果てているであろう事は云うまでもありませんね(笑)
ですが今年は久々に東京で過ごすお正月になりそうです。

祖母の庭に最初の年に植えたのは、ERの白〜淡い色の薔薇達。
『The Nun』、『Lucetta』、『The Prioress』、『The Generous Gardener』...。
セミダブルのゆるやかな花弁をもった薔薇を中心に。
年老いた祖母の手を煩わせることなく、できるだけ丈夫なものを。

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〔Yolande d'Aragon (Hybrid Perpetual)/Vibert:France:1843〕

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〔The Generous Gardener (English Rose)/Austin:UK:2002〕

翌年の冬には100を優に越す、エレムルス等の様々な球根や宿根草に加え牡丹に芍薬。
『Cardinal de Richelieu』などのガリカ種を筆頭に、『Fantin Latour』etc...。
所謂一季咲きの野趣溢れるオールドローズを中心に植栽しました。
3年かけて植えた薔薇は、50本は超えているでしょうか?
ERを除けば、所謂ハイブリッドティーは『Intrigue』1本のみ。
これらの中には勿論我が家から嫁いでいったものも含まれます。
田舎の庭に、元々植わっている樹木や草花に、如何に違和感なく馴染ませるか、
これは非常に頭を悩ます難しい課題でもありました。
結果、チャイナローズ等も豊富に。

薔薇の咲き乱れる景観を大の園芸好きである祖母にも見せてやりたいと
僕のエゴで次から次へと植えた薔薇ですが、本来視力の弱い祖母の事です。
現在でも庭の野菜づくりや畑仕事には余念のない、年齢に比べて元気な体ですが、
若い僕らと同じように考えていてはいけませんね。
祖母は喜んでくれていますが、配慮が足りなかったと反省することしきり。

芽吹くに伴い、春が過ぎゆく頃には祖母の背丈を軽々と越すであろう薔薇達。
つんのめってすがりついた枝先で手のひらが血だらけになった事も。
受話器を通して聞かされた逸話に青くなったこともありました。

大正時代に生まれ、苦難の昭和を疾走するが如く生き抜いて来た祖母が、
薔薇という植物にどんなイメージを持っていたかは定かではありません。

常々、『私の庭に咲いている草花は菫一本でも枯らしたくないの。』
もちろんここでいう菫とは故意に植えたものではなく、
庭の片隅にひっそりと自生している野生の菫です。

『お前はきっと私に似たのね、植物がそんなに好きだったなんて...!』とも。
わずか千坪を切るほどの、郊外にしてはそんなに広いとも云えない土地ですが、
若い頃には随分と苦労をしたであろう祖母が、
最後に選んだ家は、そっけない程にあっさりとした小さな家でした。
築何年でしょうか?経年相応に痛みも伴った
お世辞にも素敵とは云い難い家なのですが、
飴色に使い込まれた馬小屋や、はるか空までそびえる樹木、
非常に肥えたふかふかの大地、様々な椿の垣根に彩られた味わいのある空間です。

四季を彩る梅桃桜、柘植に姫シャラ、マユミ辛夷に百日紅、
おびただしい蘭が寄生している柿の木、美男葛、棕櫚の木、蜜柑にはじまる柑橘類。
田舎の家では極々普通に植えられている樹木がほとんどですが、
今頃は、最後の薔薇が葉を落とした樹木に囲まれ、たおやかに俯き咲いている筈です。
今年は冬の手入れをしてあげる事ができませんが、
一度は春に帰省してみたいな...、なんて思う今日この頃です。

祖母の庭にも咲いている薔薇...。
写真は、我が家の過ぎ去った春の風景と薔薇の横顔です。

1、2枚目の写真は、ハイブリッド・パーペチュアルの『Yolande d'Aragon』
まるで花そのものが果実のようなこの薔薇は、
甘い容姿に相応しく、辺り一面を包み込むかのように濃厚な匂いを放ちます。
坪庭程もない我が家のような敷地では、その酸味を伴った甘い匂いに時折むせ返る程。
淡い黄緑色のやや大きめのマットな葉と共に、すらりと伸びる直立性の樹型。
非常に春らしい生命力に溢れた色彩を毎年見せてくれます。
美しい薔薇を次から次へと世に送り出した、大好きなVibert作出の薔薇です。

3枚目の写真は『Yolande d'Aragon』を優しくかばうように俯きながら咲く、
ERの『The Generous Gardener』。祖母の庭に一年目に植えた薔薇のなかのひとつ。
この薔薇は優しげな花容とはうらはらに、恐ろしい程の成長力を見せます。
つる薔薇として扱った方がいいかもしれませんね。
我が家は10号鉢で育てていますが、いったい何処まで伸びてゆくのか、
ちょっと見当もつかない程に.....、伸びる伸びる伸びる!
その名の示す通り、寛大で気持ちのゆったりしたガーデナーさん向きです。
「もう置く場所がない」と嘆いている僕のような人にはお薦めできません(笑)

4枚目の薔薇は同じくERの『The Nun』。
夕闇に浮かび上がるように咲くその姿は、正に尼僧のよう。
祖母の庭を思い描いた時に、真っ先に頭に浮かんだ薔薇です。
薔薇でありながら薔薇のようでもなく.....。合わせ持つ茶花のような風情。
はっきりした個性を持ちながら、すべてを受け入れるかの如く優しい花容。
散り際まで決して反り返ったりはせず、この美しい状態を保ち続けます。
ミルラをベースに軽いティー香。時折、ミントのような爽快な匂いを感じる事も。
そして特筆すべき点は、四季咲き性に優れているという事でしょうか。
我が家では、12月までほぼ絶え間なく咲き続けます。

未だに一緒に植えた薔薇を枯らしたことのない祖母ですから
来春もきっとたわわに咲き乱れてくれる事でしょう。
祖母に似てたいへん強く逞しい薔薇の事ですから!

G d D

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〔The Nun (English Rose)/Austin: UK: 1987〕
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by MiscellaneousOGRs | 2006-12-23 00:00 | 日暮らし

白い季節に白い花。
冬になると反対の季節に位置する白い花がとりわけ恋しくなります。

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雪が降る事はあっても、積もる事は稀な土地で育った自分にとって、
東京に初雪が降る日を、この時期になるとぼんやり憶います。
この分では年内には雪を望めそうにありませんね。

北国に暮らす人々にとって、
雪は或る意味生活を脅かす存在でもあるでしょう。
こんな呑気な事を書いていると失笑を買いそうですが、
北国で暮らす人が南国の乾いた風と白い浜辺に憧憬を抱く気持ち.....、
冬に夏を想い、夏に冬を追いかけるあの矛盾した感情と似ています。

1枚目の写真は、『Viburnum Pink Beauty』。
ヤブデマリの園芸品種ですね。
雪のように白い花びらは、開花につれて淡い桃色を帯びてゆきます。
時にグリーンがかって見える事も。

我が家では何種類かビバーナムを育てていますが、
その中でもいちばん小さな株です。
限られたスペースで育てたい方にはいいかもしれませんね。

2枚目の写真は、我が家の狭い壁面を覆い尽くすように咲く『Cl.Iceberg』。
通常の「Iceberg」と違い、日照時間の限られた我が家では返り咲きはごく僅か。
けれども毎年コンスタントに蕾を立ち上げ、しなやかに咲いてくれます。
痛む事もなく、一瞬にして通り過ぎてゆく春に寄り添うが如く花弁を散らすその姿。
微かに甘い匂いです。
雨上がりに撮ったせいか、雫の重みで枝垂れに枝垂れてとんでもない事に!
薮と化しています.....。

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〔Climbing Iceberg(Climbing Floribunda)/Cant:UK:1968〕

春から初夏にかけて咲く、様々な白い花。
時に清々しく、そして汚れゆく花弁はなんとも切ないものです。

G d D

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by MiscellaneousOGRs | 2006-12-16 00:00 | 月季
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落葉樹の葉が徐々にその色を変えながら、
枝との別れも名残惜しく、凍てついた舗道へ...
冷たく澄んだ空を映す水面へ...
そして温かな空気を孕んだ土の上へと。

ようやく冬の到来です。
羽色に寒を宿した鳥達は、
ぼんやりしている季節を促すかのように、
樹々の間につむじ風を残して飛び回っています。

そんな12月にブログを始める事になりました。

住宅地の狭い一角で息づく薔薇や植物の季節毎の横顔と、
薄い硝子戸を隔てた場所に共存する者との互いの日々のつづれ織りです。

四つに区切られた季節の挟間から、未だ見ぬ五番目、六、七、更に.....、
その先にある季節の姿を感じ取っていただけたら幸いです。

2枚目の非常に美しい薔薇の写真は、Teaの『Gloire de Dijon』。
今回のブログ開設にあたり、常日頃からたいへん親切にしていただいている
「匂いのいい花束。」のブノワ。さまより、ご祝儀として戴きました。

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〔Gloire de Dijon(Climbing Tea)/Jacotot:France:1853〕

春浅い頃から、その細い枝先にゆるやかに蕾をつけ、日を追って開花してゆくその姿は、
筆舌に尽くし難い類い稀なる美しさです。環境にもよりますが、クライマーとしては数少ない、
一年を通して頻繁に返り咲く優秀な性質に加え、深みのある香しい紅茶の匂い。
時に枝葉を黒く汚しながらも、花弁は人肌にも似たあたたかな杏色。
表情を巧みに変えながら乱れ散りゆくさまは、苦境に耐えながらも
決して品格を失う事のない、名もなき貴婦人のようだと感じたものです。
現在我が家には、ブッシュ状に仕立てたものと壁面に緩やかに誘引したもの、
計4株がそれぞれ冬支度を始めたばかり。やがて来る春を待っています。

理由もなく思いつくままに名乗ることになったG d Dの由来は.....、
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
このたいへん美しい薔薇の名を略したものであることを最後に記しておきますね。

薔薇に対する微かな熱は日々流動的ですが、初めてその姿を目にした日から
現在に至るまで、変わる事のない体温を僕に与えてくれた、この薔薇に更なる敬意を込めて。


2006年12月12日

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2006-12-12 00:00 | Sweeter than Sweet
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