カテゴリ:旅する古道具( 4 )

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by MiscellaneousOGRs | 2008-05-11 23:00 | 旅する古道具

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陽光降り注ぐ遠いスペインの地から沢山の種子がやってきました。
いつも暖かいコメントを寄せてくださる親切な方が、
年末の慌ただしい時期にもかかわらず...
大切に包んで送ってくださったものです。
国境を超え 海を超え 遥か上空を飛来する種は
2007~2008年の年をまたいで我が家にやってきました。
突然の贈り物がこんなにも嬉しかった事はありません。

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(美しすぎて種を取り出すのも躊躇われました...)

箱を開けた途端に目に飛び込んできた様々な木の実。
乾いた風の匂いがほんのりと漂います...。
無数の木の実や種たちを前にして、
さてどのようにディスプレイしようか...
考える時間の経過自体とても楽しいものであり、
同時にイマジネーションを掻き立てられる貴重な瞬間です。
なるべくナチュラルな風合いをもったもの。
例えば飴色の木箱や、丁寧に編まれた錆色のワイヤーバスケット。
気泡の入った硝子や貫入も味わい深い白磁器etc...。
そういった同質の素材を持つものはあえて外し...
今回は質感の異なったものに活躍してもらいました。
もうそろそろ、庭の薔薇や草樹も
春に向けての様々な準備にとりかからねばなりません。

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海を超えてはるばるやってきたこれらの命に
花を咲かせて終焉を迎えながらも
次の季節へと移ろう薔薇たちと出逢って欲しいと思ったのです。
そう...心ならずも ふっと脳裏を横切ったのでした。

週末毎に気温は刻一刻と下がり、
太陽が庭を横切る時間は極々限られています。
種が届くまでに無事に開花するだろうか...?
年が明けてからというもの、
暖かかった年末が嘘のように寒い日々が続きます。

奇しくも今週末...諦めていた薔薇が寒空の中、開花しました。
冬の名残りの薔薇。それぞれの株にそれぞれたった一輪ずつ。
一年を通じてひたむきに咲き続けてきた薔薇ですが、
きっとこれが最後の一輪です。
感謝の気持ちを込めてそっと手折りました。

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〔ジャカランダの種子〕
〔(Jacaranda mimosifolia)/ノウゼンカズラ科ジャカランダ属〕
〔白い綿毛(Araujia sericifera)

それぞれの種子、半分は土に蒔いてみるつもりです。
半分は硝子の中で部屋を彩り、この目を楽しませてくれる事でしょう。
紫の桔梗にも似た美しい花をたわわに咲かせるジャカランダの実。
鳥の羽根よりも繊細な蔓草の種。
なんでもスペインでは雑草扱いなのだそうです。
そして...その殻と実の織り成す色彩に目を奪われたのが
一枚目の写真のビンの木の実でした。
スペインでは街路樹として植えられているのだそうです。
枯れた古木のような茶をベースに
こっくりとした黄色はもっとも好きな組み合わせ。
キャメルのステンカラーコートの下に
この手の色合いのウィンドブレーカーや
プルオーバーを合わせるのは 秋から冬の定番となっている程。

3種の薔薇は手前からティーローズの『Triomphe du Luxembourg』。
僕が薔薇を育て始めた頃、極々初期に迎えた中の一本です。
つまり我が家では一期生にあたります。
いちばん美しい白のオールドローズとしてその名を知られる...
『Mme. Hardy』を作出したHardy氏によって生まれた薔薇です。
当時は白をメインに淡いイエローの薔薇が中心でした。
ピンクの薔薇としては初めて迎えた薔薇かもしれません。
やや青みを帯びたピンクは花弁の裏表で光と影を巧みに取り込み、
俯き咲くさまは非常にシックな印象です。
北風に痛み、葉も黒点で汚れてはいますが気品を失わないその存在感。
お気に召していただけたら幸いです...。
そしてラズベリー色のふくよかな蕾はERの『Wisley』、
いちばん奥が『Duchesse de Brabant』になります。
真冬に咲く薔薇は意外にもふっくらと重ねを厚くする傾向にあります。

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〔ビンの木の実(Brachychiton populneus:arbol botella)
〔Triomphe du Luxembourg(Tea Rose)/Hardy:France:1835〕
〔Wisley (English Rose) /Austin:UK:2004〕
〔Duchesse de Brabant(Tea Rose)/Bernede:France:1857〕
〔Rosa. omeiensis Pteracantha (Species) /Unknown:China:1890〕

手から手へと伝わったこの新しい命を宿した種子が
今後どのような表情を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
無事に発芽しましたら、またお便りさせていただきますね。
どうぞ楽しみにしていてください。

G d D

*下記↓に『ロサ・モスカータ』の写真をUPしました*
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by MiscellaneousOGRs | 2008-01-20 12:00 | 旅する古道具

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夏を彩る様々な果実が店先に並び始めています。
旬の果実はその瑞々さも手伝って、ついつい手にしてしまうもの。
何でもいいのですが、部屋のどこかに果物があると、なんとなくほっとするんですね。
根菜類と共に、なるべくきらさないようにしています。

杏。
とりたててまた食べたいと思わせる味ではないけれど。
二つほど生でいただいて、残りはジャムにしてしまいました。
少し面倒ですが、種はきれいに剥がれます。
その種にはステロイドが含まれているとか...。
熱を通した果実から流れる匂いは、花が朽ちる寸前の甘さに似ています。

杏を沈めた硝子器は、フィンランドを代表する「iittala」のもの。
60年代に僅か3年ほどしか生産されなかったと聞いています。
もう40年以上も前のものですね。
繊細なエッジは吹き硝子ならではのもの。
古道具と呼ぶにはあまりにも洗練されすぎていますが、
数在る硝子器の中でも特に愛着の持てるひとつかもしれません。
沈んだグレイの色調はたたえる水を非常に美しく見せます。
特筆すべきは、キク科ノコギリ草を意味する『Achillea』という素敵な名がついている事。
普段は花を投げ入れる事が多いのですが、たまには趣向を変えてみるのも楽しいです。

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〔Evelyn (English Rose) /Austin:UK:1991〕

秋にわずかに返り咲くまで、夏はひと休みの筈の「Evelyn」。
今頃になって咲いています。
続く長雨にさらされ、この後、部屋に迎え入れる事なく散ってしまいましたが、
我が家ではちょっとめずらしい光景かもしれません。
若干花弁も少なく夏仕様だけれど、
緑陰の中、俯くように咲く姿も涼しげでいいものですね。
我が家には2株ありますが、どちらもつる薔薇扱い。
天蓋のように四方八方に伸びたいばらの薮は、さながら葡萄棚のよう...。
大きく伸ばした方が花付きもシュートの出もいいような気がします。

そして...湿度のせいでしょうか?
季節柄あまり期待していなかったけれど、独特の素晴らしい香りは健在です。

決して口にしてはいけない果実。
この薔薇の放つ匂いにはそんな印象を抱いています。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-07-17 00:00 | 旅する古道具

見目よい道具の数々は、実質的な使い勝手の良さと相まって
輝きは日に日に増すばかりです。

春には透き通った姿のままに、緑鮮やかな窓辺を彩り。
夏には遠い砂丘へ想いを馳せるべく白い砂を。
秋には果実や色づいた葉をひとつ。
冬には一年を彩った薔薇たちの新しい素顔を。

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器の本来あるべき姿。
ただそのままでも美しいこと。

果てない旅路は船に揺られて...。
光を求めて翼が運んでくれたもの?

道具は愛されるために存在するのかもしれませんね。
それは創りだしたひとの掌にも似た温もり。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-01-11 00:00 | 旅する古道具
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