剥がれ落ちるは夏の衣。

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〔James Veitch(Moss Rose)/Verdier:France:1865〕

私は人も草花も総じて『横顔』が好きである。
自分の撮った写真を拾い上げ 整理しているうちに気がついた。
光源(庭に面した窓)が写真の左手にあるからして...花を左側に向けて挿す。
右に挿すと途端に落ち着かなくなり 心なしか花も不機嫌に見える(気がする)
それが何故かは分からない。
胸のうちが知らず知らずのうちに 常に光の射す方を捉えているのかもしれないし
右利きであるが故に左に意識が流れるのかもしれない。
たとえ窓が右手にあったとしても きっと左に向けて挿すと思う。
切り花で売られている薔薇と違い多くのガーデンローズは真っ直ぐには咲かない。
室内に取り込み、花器に挿す時も出来る限り枝に咲く風情を大事にしたいと思っている。
多くのモスローズは春の一季咲きであるが、返り咲くモスローズの中でも
この『James Veitch』はダントツによく咲く薔薇だと思う。
酷暑を経て...八月の終わりに咲いた一輪であるが
室内に取り込んだ途端...ボタンアイはあっさりと解けてしまった。
褪色する過程も非常に美しい内側に紫を宿した薔薇。
あまり触れられてはいない気がするが...ほどよく濃厚なダマスク香。
今朝窓を開けたらもうひとつの蕾も綻ぼうとしていた。
昨夜もやさしい雨が降りたよう...。
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このイチゴは名前が分からない。
まったく違った名を持って我が家にやってきた。
おそらくヤブヘビイチゴではないかと思う。
ヘビイチゴに比べてやや実が大きい。
次から次へとランナーを伸ばし鉢の間をすり抜けて塀の隅、
湿った陰地までポツポツと点在している。
その非常に旺盛な繁殖力にはただただ驚いている。
雨上がりの庭に降り立った時、
今回『James Veitch』と共に写真に収めるべく長いランナーはそのままに摘んだ。
春からずっとポツポツ咲き続けては赤い実をつけている。
斑入りのヘビイチゴはいっこうに増えないし、春以来 花も赤い実も見ていない。
ヤブヘビイチゴってこんなに繰り返し咲くもの?
随所に根っこがついているのでまた土に戻す予定です。
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〔ツリバナ(Euonymus oxyphyllus)/ニシキギ科ニシキギ属〕

この写真を撮った時に比べて、現在は...やや赤みがかってきたように思う。
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これは庭ではなく 散歩している時に撮った1枚。
ヨウシュヤマゴボウ...大好きですが、さすがに迎える訳にはいきません。
熟してからの姿ももちろん素敵ですが、花もとても可憐な風情。
人の背丈を超えるほど大きく育ちながらも 冬には萎れやがて姿を消してしまう。
空き地をあっという間に占領してしまうほど。
その成長の早さ、存在感にはいつも目を奪われます。
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花首を覆うモスはとても柔らかいもの。
その名の示す通り...苔の手触り。
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薔薇は『Jacqueline du Pre』。
春が終わる頃、一切枝を残さずゲンコツ剪定したもの。
この薔薇の匂いは唯一無二のもの。花は一日で散ってしまう。
紫がかったピンクの蕾はメラレウカ。花よりも蕾。
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〔センジュガンピ(千手岩菲)Lychnis gracillima/ナデシコ科センノウ属〕

2008年上半期、庭で咲いた草花の中で...いちばん心を奪われた花。
花後のサヤを振ると 竹細工の鈴の音のような響き。
胸に刻まれた草花という意味では、多くの薔薇を押しのけておそらく第1位。
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森の匂い。雨の匂い。そして水の気配。
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庭とも呼べない小さな塀で仕切られた場所ですが
沢山の蝶が入れ替わり立ち替わり...音もなくひらひらとやって来ます。
既に何度か遭遇したけれど どうかオオスカシバだけは来ないで欲しい。
あれはホントに怖いから(笑)
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3枚目の写真の雨後。
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おそらくチカラシバの園芸種。名前失念。
設定を間違えて撮ってしまった1枚。
けれどそのままで。
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木肌も人肌もやがて来る秋に備えて剥がれ落ちる準備をしています。
雫と呼ぶにはあまりにも大きな水に包まれた八月。
坪庭に残った水の残骸。風の足跡。
不思議な九月が其処此処に。
荒れた葉も痛んだ花びらも。
すべてはあなたの掌の中。

G d D
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少し長い夏休みをいただいておりました。
撮りためた写真が溢れそうです。
まずは見たまま 感じたままをお楽しみいただけたら幸いです。
一連の写真は八月下旬から昨日にかけて撮ったもの。
1枚ずつ...詳細は追って記しますが すぐに次に行きたい気分...。
変わらずも気侭ながら九月は少し早い更新を。
そう考えています。
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by MiscellaneousOGRs | 2008-09-05 01:00 | 月季
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