I've Got You Under My Skin。

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〔Iwara/Rosa Iwara コハマナシ(Hybrid Species)/Unknown:Unknown〕
1.
実は...この薔薇。
樹形をあまりリサーチせずにお迎えしたもの。
主幹はガッチリとして剛直そのもの。
薔薇が『木』であるということを身を以て表しているかのような姿。
分岐した細枝...隅々までびっしり棘で覆われています。
花は散り際...桜のように弁端が捩れ まことに美しいです。
もちろん...蕾が開いた時よりも。
図鑑などではあまり書かれていませんが...
薔薇「らしい」とても好ましい匂いです。
そして花びらはわずか一日で風に乗り...遠くへと去ってゆくのです。

5月の薔薇たちもそろそろ終焉を迎えつつあります。
毎年遅咲きの薔薇ももう残すところあと僅か...。
花びらは次から次へと土へ還ってゆきます。
山紫陽花が綻び始め...天からの恵みが空から降りてくる月。
美しい雫に彩られた6月はもうすぐそこまで来ています。
雨季のある国に生まれて本当によかった...。
心からそう思います。

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〔ベニバナバイカウツギ(Deutzia:hybrida'Magicien')/ユキノシタ科:ウツギ属〕
2.
このバイカウツギは昨年の春も終わる頃...、園芸店で見かけて
既に萎みつつある小豆大の花がたいそう美しかったのを憶えています。
我が家で育てている木はたいへん小ぶりなもので
過日に記事にしたモミジイチゴやバイカカラマツソウと共に寄せ植えにしています。
紅花のバイカウツギとして流通していますが、おそらくウツギの交配種だとの説。
手持ちの図鑑には載っておらず...
詳細を検索したところ...「スイカズラ科」との表記も見られました。
残念ながら香りはほとんど感じられません。

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〔Sister Elizabeth (English Rose)/Austin:UK:2006〕
〔Sweet Chariot (Min)/Moore:US:1984〕
3.
近年作出されたイングリッシュ・ローズの中でも...
個人的には ひと際完成度の高い薔薇だと思っています。
まず花が中輪であること...につきますね。
四季咲き性も抜群...真冬にさしかかる頃まで咲いています。
嗅覚は人それぞれですから一概には言えませんが、
非常に人工的、風変わりな...例えるなら塩化ビニールのような
「プラスティック」な80年代的匂いを感じます。
甘酸っぱい果実のように感じることもありますが...。
花保ちもよく...夏花がたいそう美しいのです。
一度枯らしてしまい...今年の冬に新たに迎えました。
この薔薇の持つ「ピンク」には どことなく健全でない翳りを感じます。
ライラックやモーヴetc...そういった色で表現できないもの。

『Sweet Chariot』は...房で咲いた集合体の中で
それぞれが持っている時間のズレをなんともいえない色彩で織り成します。
加えて強いダマスク香。未だかつて病気を拾った姿を一度も目にしていません。
退色して散り散りに花びらが風に飛ばされてゆくさまも愛らしい薔薇。

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〔紅花エゴノキ(Styrax japonica Pink Chimes)/エゴノキ科:エゴノキ属〕
4.
直径10cm弱の小さな鉢で育てています。
白花のエゴノキよりもさらにやさしく甘い香り。
果皮に毒を含んでいるとは思えないほど たおやかな花です...。

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〔Lochinvar(English Rose)/Austin:UK:2002〕
〔紅花エゴノキ(Styrax japonica Pink Chimes)/エゴノキ科:エゴノキ属〕
5.
時期を同じくして咲いたふたつの花。
もちろん別々に撮ったものですが...。
同じ世界に生まれていたらどうなっていたでしょう?

『Lochinvar』はとても素敵な薔薇。
花も小輪から中輪です。
ローズティーの茶葉を蒸らしたあとの残り香にも似た甘い匂い。
たゆたうように辺りに沈みます。
光の微粒子を包みこんだ花びら。透過した光はそのままに。
花だけを愛でるのではなく、枝も葉もすべてを堪能したい薔薇です。
イングリッシュローズの中で この個性は貴重な存在かもしれません。

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〔Mme Caroline Testout(Hybrid Tea)/Pernet-Ducher:France:1890〕
〔Wild Edric(English Rose)/Austin:UK:2005〕
〔Wisley (English Rose)/Austin:UK:2004〕
〔Rosa Chinensis Semperflorens(China Rose)/Slater,G.:UK: pre-1773〕
6.
僕が薔薇を切って花器に挿すその訳。
簡単に云えば...たとえ僅かな時間でも散り際までを見たいと思うから。
朝 開き始めた蕾が翌朝には散っていた...なんて事も度々ありました。
5月であってもなくても...
玄関を出るまでの朝の慌ただしさに変わりはありません。

ここに並んでいる薔薇たちはそれぞれに四季咲き。
一年に一度しか逢えないという訳ではありませんが、
陽射しと慈雨をふんだんに身に纏ったふくよかさは5月ならではのもの。

『Mme Caroline Testout』。
花弁がほどける寸前まで非常に凛々しい姿をしています。
一旦花びらがこぼれてしまうとあっという間。
...瞬きをしている間に散ってしまいます。
散り際の潔さ。僕は密かに「昼顔」と呼んでいます。
この写真では左側...窓にいちばん近い場所に挿しました。

『〜Semperflorens』。
月並みですが...とても綺麗な薔薇だと思います。
もう惜しみなく咲いていただいて(笑)
春夏秋冬...それぞれの季節を包み込む大らかさで。
チャイナは概ねどの薔薇も... 葉と花、それぞれが織り成すバランスが絶妙。
夕闇に転ぶ頃、青みが姿を現して花弁を反転させる...。
直径15cm弱の小さな鉢で育てていますが
落ちついたら鉢増ししようと考えています。

金井夕子の『チャイナローズ』を聴いて僕が連想するのはこの薔薇。
歌謡史に残る名曲じゃないかと思っています。YMOですしね...。
イントロなんてそれはもう...仰け反る程素敵です(笑)

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〔Falkland(Hybrid Spinosissima)/Unknown: Unknown〕
7.
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〔Ispahan(Damask Rose)/Unknown: pre-1832〕
8.
今から2〜3年前でしょうか?
当時、最後に庭に投入する薔薇を2本に絞り込んでいて(考えられない!)
ガリカの『Ipsilante』か...この『Ispahan』のどちらにするか、迷っていたのでした。
その旨を話すと、『まぁ...どちらも甲乙つけがたい素敵な薔薇ですねぇ!』
なんて仰って、お互いにああでもない...こうでもないと
散々迷った挙げ句、この薔薇にしたのでした。
結局『Ipsilante』も買った記憶がありますが、ちょっと見当たりません(笑)
今でもこの薔薇が咲くと、その方の淡い...花のような笑顔が目に浮かびます。
まるで香水のような香りを持つ薔薇...。
毎年健気に咲いて短い5月の庭をあたたかいピンクで彩ってくれます。
我が家のような悪環境でもキッチリ咲くということは同時に丈夫な薔薇だとも。
最近はお忙しいようで...なかなかお目にかかる機会もありませんが
開花と記憶は密接に繋がっていて 不思議にも忘れる事がないのです。

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〔カシス(C.florida Cassis)〕
9.
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〔Wild Edric(English Rose)/Austin:UK:2005〕
〔Mme Caroline Testout(Hybrid Tea)/Pernet-Ducher:France:1890〕
〔The Dark Lady (English Rose)/Austin:UK: 1991〕
〔Wisley (English Rose)/Austin:UK:2004〕
10.
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〔枝咲き桔梗(Campanula kemulariae)/キキョウ科:キキョウ属〕
〔アネモネ ネモローサ(Anemone nemorosa)/キンポウゲ科:イチリンソウ属〕
11.
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〔Wisley (English Rose)/Austin:UK:2004〕
〔Wild Edric(English Rose)/Austin:UK:2005〕
12.
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〔Snow Goose (English Rose)/Austin:UK:1996〕
13.
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〔Chaucer(English Rose)/Austin:UK:1970〕
〔Barbara Austin(English Rose)/Austin:UK:1997〕
14.
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タイトルは僕の大好きなコール・ポーターの楽曲から。

今回は 5月を彩ってくれた様々な草花 薔薇にまつわる記憶etc...
僕が感じた事を『随時』追記してゆきます。
まとめてではなく...進行形で少しずつ綴る予定です。

登場人物さながらに...それぞれ物語を背負っているのです。
誰ひとりとして欠けてはならない大切な住人たち。
幕開けはもうすぐです...。

*こんなに一気に写真をUPするの... 最後かもしれません...(笑)
 どうぞ皆さんもゆっくり楽しんでいってください*

G d D
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*前回の記事へ* 〜草花の名前を記しました〜
 如何でしたか?楽しんでいただけたかな?
あぁ...やっぱり!なんてものも多かったのではないかと思います。
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by MiscellaneousOGRs | 2008-05-25 15:00 | Sweeter than Sweet
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