極々...紫玉。

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薔薇の名前は『紫玉』。
「しぎょく」と読みます。
3〜4年ほど前に新苗で迎えたものです。

僕は薔薇の新苗とは相性がいいように思います。
環境の決してよくない我が家では大苗の方が無難な筈ですが
まだ接がれたばかりの若木がぐんぐん成長してゆくさまを見るのは
どの季節にも胸に清々しいものです。

日本で改良されたガリカ・ローズという点においては諸説あるようです。
明治時代という説もあれば...江戸後期という説もあります。
その来歴は兎も角、僕は出逢った時からこの薔薇に強く惹かれたまま。
今もその気持ちは変わることはありません。
しなやかな枝も マットで小ぶりな葉も...
こんもりと茂るその姿...存在自体が好ましい。

大きく育った2年目は花芽がつかず枝葉ばかりが茂り...。
その後もぽつぽつと花を咲かせはしましたが
本領発揮とまではいきませんでした。
それでもこの薔薇の枝葉をどの季節も見ていたくて
育て始めた頃から配置替えをせず、
窓を開けた時に見える位置に長らく置いていました。

他の薔薇は試行錯誤も兼ねて、
冬場 葉のない時期に鉢ごと移動させます。
庭は南向きですが お隣の家屋や塀に遮られている為、
その塀を背にして配置するということ自体...リスクを背負います。
狭い庭の中でのこととはいえ、環境の変化を嫌う薔薇には
居心地のよくない年もあった事でしょう。

今年の冬、クレマチスがびっしり絡んだその枝を解いて
お日様に向かって壁面へと移動させたのです。
するとどうでしょう...(って...当然のことですけど(笑))
今までにないほど花が咲きました。

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〔紫玉~Sigyoku~(Gallica Rose)/unknown:Japan:unknown〕

この薔薇の持つ艶やかな姿をとらえるべく...
毎年少ない花をぽつぽつ撮ってはきましたが
光を跳ね返してなかなか思うような色に仕上がりません。
咲き始めの赤紫が非常に曖昧な暗い色として写るのです。

まだまだ蕾がひかえているこの薔薇を手折って
先週末花器に挿しておいたのですが、
朝〜昼〜夜...刻々と姿を変えてゆくそのさまを目にした時。
初めてこの薔薇の美しさを拙いながらも収める事が出来た気がしました。

親鳥に向かって雛鳥が嘴を開く時のあどけないさま...。
そんな花びらが綻び始めた頃の姿も可憐で愛らしいのですが、
赤みが姿を消し...捩れた花弁は より紫が濃く深くなり...
その名が示す通り...花弁は鱗を呈して後方へと反り返り...
小さな手毬のような姿へと変貌します。
鱗は散り際に躊躇うことなく はらはらと一気に剥がれ落ち...
なんとも潔い散り方をします。
朽ちる寸前、終焉を迎えた姿がより美しい薔薇だと...
今更ながら気づいたこの春...感慨もひとしおです。

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写真は1枚目と2枚目が前後してはいますが
1日を通して散り際までを追ったもの。
共にフレームに収まっているのは赤軸がたいへん美しいゲラニウム。
詳細を今調べていますが その名を特定できずにいます。
購入した際のタグには「ロベルチアナム」としか記載されていませんでした。

朝昼晩..暗闇を経て窓辺に朝日が射し込むまで。
24時間あますところなく『紫玉』の1日です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2008-05-08 01:00 | Sweeter than Sweet
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