シルクは擦りきれ... Carla Bruni〜『NO PROMISES』。

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新しい部屋に引っ越した時。
まず何をするか?
家財が搬入される前に、何もない部屋で一晩を過ごす。
壁のいちばん広いところを見つけて、書架を張り巡らせる算段をする。

本棚のある部屋は何より落ち着きます。
レコード棚にも同じ事が云えるかもしれません。
いくつか遍歴を重ねてきたけれど、
やがて扉は必要ない事に気づきました。

思い立った時に手を伸ばし、
瞬時に旅の切符を手にする事が出来ます。

窓から射し込む光や、風向きひとつでその日出かける街を決めるように。
ページを捲る毎に現れる情景や、溝を削って回転する針のかすかな浮き沈み。

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2002年にリリースされたファーストアルバム『Quelqu'un m'a dit 』から早5年。
全曲英詩で綴られた歌には賛否両論の声も挙がったようだけれど、
個人的には、前作よりも耳に馴染むのが早かったように思います。

必要なだけの楽器を用いて、音と音との間に幾重にも隙間をつくる。
輪郭が柔らかいようでいて、その実綿密に計算された丁寧な音づくり...。
今回、英語の発音に関しては、マリアンヌ・フェイスフルが指導を行ったそうですが、
そこで幾度となく生まれたであろう数々の物語にも興味はつきません...。

その彼女が87年にリリースした名盤『Strange Weather』!
それこそ盤が擦り切れるまで聴いたものです。

ラストを締めくくる『At Last the Secret Is Out』〜ついに秘密が明るみに〜
ウィスタン・ヒュー・オーデンの詩によくもこの素晴らしいメロディーをつけたものです。

秘密をささやくなら...。
きっと誰しもそう願わずにはいられない。
唯一無二の声を天から授かったひとです。

3年前に恵比寿で観た彼女のステージは、とてもあたたかいものでした。
ちょっと忘れられそうにもありません。
惜しむらくは...、是非アナログでもリリースして欲しかった事かな。
ジャケ写も秀逸!

G d D

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[アリウム・シューベルティ:Allium schubertii]
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by MiscellaneousOGRs | 2007-07-25 00:00 | No Sad Songs for Me
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