白い朝。

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〔Blanc de Vibert〜Blanche de Vibert (Portland)/Vibert:France:1847〕

一季咲きの白薔薇の蕾がほころび始める頃には、
決まっていつもよりも早めに起床していた事を想い出します。

まだあたりが薄蒼い時間帯。
やわらかな花弁に闇を纏い、時間とともにゆるやかに開き始めるさまは、
どの四季咲きの薔薇にも見られない美しさ。
その一瞬は、白薔薇だけに許された朝まだきなのかもしれません。

次に逢えるまでの一年間。お互いに長い月日等、さも忘れたように過ごすのでしょうか...。

薔薇がお好きでない方も、もちろん薔薇を愛してやまない方も...。
薔薇には特別興味のない方でも。
白薔薇が嫌いだという方はあまりいらっしゃらないのではないかと思います。


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〔Mme. Hardy (Damask)/Hardy:France:1832〕

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〔Alba Semi-plena (Alba)/unknown:unknown:pre-1600〕

1枚目の薔薇はポートランドの『Blanc de Vibert』。
葉色も淡く好ましい、ほどよい中輪の花はつんとするほどの甘酸っぱい香り。
終焉に向かって花びらの配列が乱れる頃に真の美しさを発揮するように思います。
この薔薇も大好きなVibert 作出。
氏の作出した薔薇の中でもお気に入りのひとつです。
季節を問わず、忘れた頃にぽつんと返り咲きます。

2枚目は『Mme. Hardy』。
3年程前に新苗で迎えてからというもの、株は充分過ぎる程成長しましたが、
花を見るのは今年が初めてになります...。
たった一輪だけ、斜上した枝先にぽつんともの言わず花開いたさま。
続く3、4番目の『Alba Semi-plena』と共に、10号鉢で育てています。

『Mme. Hardy』と同じ時期に迎えたこの薔薇には、多大なる信頼を寄せています。
特別な施肥や管理も必要とせず、毎年隙間を埋めるように房になって咲きます。
沈んだ色調のグレイの薮に点在する蕊も鮮やかな白い花...。香りも素晴らしい。
挿し木で育てた小さな苗もありますが、時折、非常に花弁の多い姿になります。
手持ちの図鑑のひとつに紹介されている『Alba Semi-plena』は、
ピンクがかった巻の多いふくよかな花容。どう見ても『Alba Semi-plena』ではない...。
当初、編集の際に何かの手違いで違う薔薇の写真が使われたのだろうと思っていました。
我が家でそんな姿を見かけた時には、びっくりしたものです。
あまりにも特徴的な、ひと目でそれとわかる完成された花にも起こりうるものなのですね。

いちばん最後の薔薇は、ティーの『Hovyn de Tronchère』。
本来なら、もう少しアプリコットが強く出るはずですが、
我が家では今年の春、このような色で咲きました。
すべての枝先に開いた花は、重くうつむきなんともいえない情感を醸し出します...。

白薔薇は問わず語り...。
何も話しかけずとも、その花容がすべてを物語ってくれます。
ただ何も考えず、それぞれの薔薇の持つ美しさを味わっていただければ幸いです。
つたない写真ではありますが、どうぞご容赦ください...。
皆さんそれぞれの朝、6月最後の週末にこの白い薔薇たちが咲きますように。

G d D

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〔Hovyn de Tronchère(Tea)/Puyravaud:France:1899〕
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-30 07:00 | Sweeter than Sweet
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