群青に山吹。


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〔Butter Cup (English Rose) /Austin:UK:1998〕

常々より、望んでお迎えした以上はどんな薔薇でも愛おしいもの...。
などと柄にもない綺麗事を綴っておりますが...。

その時々で夢中になる薔薇が次から次へとめまぐるしく変わり、
挙げ句の果てに庭の片隅に追いやられてしまう哀しい存在の薔薇もあります。

薔薇だけではなく植物を育てている人の中には、身に覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

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この薔薇は、極々初期に迎えたものです。
その名と、半八重の儚い姿になんとなく惹かれるものを感じて。
直立ぎみで枝も暴れず、その姿は華奢ながらも成長力は旺盛です。

多くの薔薇は、明け方...、まだ風の凪いている時間帯が姿も匂いもいいとされています。
朝日を背に受けて露を纏い...、時を止めてしまったかのようなその姿には、
思わず息を呑みシャッターを押すタイミングも失ってしまうほどです。

先日、花のほとんどが終焉を迎えた日に庭に降り立ち、
花柄などを摘み、枝の整理や雑草の処理に時間を忘れてしまい気がつけば夕暮れ。

僕は普段から、冬の夜空は黒く、夏の夜空は蒼いと感じています。
ひたひたと音もなく降りて来る夕闇の色も季節それぞれの色を持っているものです。
蒼い闇の中に浮かんだこの薔薇の美しさに、
棘に裂かれた腕や、蚊にさされたうなじの痛がゆさなど瞬時忘れてしまいました。

重ねの薄いその姿からは想像もできないほどの豊かな香りを持っています。
同じERの黄薔薇、『Graham Thomas』よりもさらに濃厚な匂いです。
同じティー香ながらも、例えるなら疲れた時に飲む蜂蜜入りの紅茶...。
そこへ果実の匂いも交じります。ホントに甘い甘い匂いです。

秋明菊のように細く高く伸び、風に揺れる姿。
咲き始めは山吹のようにこっくりした色合いですが、
退色して散る間際は原種の薔薇にも似た風情。
我が家では数少ない黄薔薇のひとつです...。

G d D

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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-12 00:00 | 日暮らし
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