ポーカーフェイスが望ましい。『Mrs. Doreen Pike』


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〔Mrs. Doreen Pike (Hybrid Rugosa*English Rose) /Austin:UK:1994〕

何も薔薇に始まった事ではないけれど、
自然と向き合うには年月を要する事も多々あります。
人と人との関係もそうかもしれませんね。

痺れをきらす程に焦らされ、幾年暦を捲っても茂るは葉ばかり...。
すべての薔薇は花だけにあらず。
幹も葉も棘もすべてが愛おしいもの。

ルゴサの葉はあまり好きになれないものが多いけれど。
この薔薇に関しては、刻んだ葉脈も柔らかく、明るい緑をたたえて好ましい。
時折翳る表情豊かなピンクの花弁...、糸のように細い飾り萼、鋭い棘。
図らずも、僕が望む要素をたっぷりと秘めた薔薇であることに違いはありません。

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枝毎の蕾は、日をずらしてゆっくりと開花してゆきます...。
折りたたまれた花弁は乱れに乱れて優しく捩れ、まことに美しい!
我が家では開花は遅く、他の薔薇がひと段落した5月中旬に咲きました。

その匂いは、雨に濡れた苔。
芍薬にも似た、青い草樹だけが持つ鮮烈な生々しさ。
痛む寸前の薔薇が放つダマスク香のようにも...。
強いけれど、緩急をわきまえた変幻自在な野生の匂いです。

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片恋なら実らない方がよろしい。
繰り返して晩夏まで咲かなくてもよろしい。
待ち焦れた薔薇は、一度だけの季節に影を落として過ぎ去っても構わない...。
その姿は、どの角度から眺めても5月をまとっているように感じたものです。

取り澄ました体を装っても、胸の内に過った火は見えていたかもしれませんね。
僕が業を煮やした昔など知る由もなく。
ただひたすらに幾重にも...紙のように薄い貴女です。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-06-06 00:00 | Sweeter than Sweet
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