JUST AS THE SLEEPING ROSE AWAITS THE KISS OF MAY...。


c0097879_2153549.jpg

〔Rosa. omeiensis Pteracantha (Species) /Unknown:China:1890〕

人それぞれに特別な月があるように。
薔薇と共に暮らす者にとって、5月は何ものにも変え難い月です。
今年は例年にない程暖かく、開花は既に4月から始まっていたけれど
萼が割れ、蕾みの色が見え始めてからの猶予のない慌ただしさは5月ならではのもの!

庭仕事に勤しみ、土に触れ、水やりの度にむせ返る薔薇の葉の匂いに酔い...。
はやる胸の鼓動とはうらはらに、さらに寡黙に...。
なんとなく血の気が引くような己の冷静さに気づかされます。

c0097879_20592136.jpg

〔Hume's Blush Tea-scented China : R.Odorata (Tea Rose) /Hume:UK:Pre-1809〕
〔Gruss an Aachen (Floribunda) /Geduldig:Germany:1909〕

今日の一枚目の薔薇は原種の『R. omeiensis Pteracantha』
図鑑やナーセリーによって表記がまちまちで統一・限定するのが難しいのですが、
『R. Sericea Pteracantha』、別名 『Wingthorn Rose 』との表示もあります。
中国西部原産とされ、オメイエンシスの由来は四川省の峨嵋山が由来とのこと。
峨嵋山をオーメイシャンと呼ぶ事からこの名がついたようです。
今回の記事の為に図鑑を捲ってへぇ〜...ってなもんでした。
妖しいほどに赤く透き通る棘は螺旋状に配置され、花のない時期もたいへん美しいもの。
古い棘は月日と共に次第に色を失ってゆきます...。

2枚目はティーローズの『Hume's Blush Tea-scented China』と、
フロリバンダの『Gruss an Aachen』。
『Hume's Blush Tea-scented China』は薔薇に四季咲きをもたらしたとされる
中国から欧羅巴へ輸出された最初の4種の薔薇の中のひとつとされていますね。
学名を『Rosa Odorata』、中国でこの薔薇のことを指して、『香水月季』。
ブログのタイトルを考えあぐねている際、
四つ並んだ字面の良さに、早々に決めた事を思い出します...。

細い枝を四方に奔放に伸ばし、どの枝先にも花をつける程の樹性の強さ。
花柄を摘んだそばから次の芽が出て真冬まで咲き続け...、ホントによく咲きます。
春は花弁も多く安定した花容ですが、冬空に項垂れるさまはなんとも風情があります。
台木によく使われるOdorataは一季咲きだそうですが、
いずれそちらの薔薇も是非育ててみたいと思っています。

『Gruss an Aachen』も、切り花で出回ってもおかしくない程の端正な花容。
蕾がほどけてゆく過程は息を呑む程の美しさです...。
まだ育てて一年にもなりませんが、とっても丈夫ですね。
去年の秋はもっとピンクが濃かったように思います。
他の皆さんのところでうかがっても、やはり季節によって極端に色が変わるらしいですね。

我が家は塀に遮られ、住宅の密集するうどん粉の温床。
当初、薔薇なんて育つのかな?...なんて心配していたけれど、
春だけは綺麗に咲いてくれます。
陽当たりの関係でよそのお宅よりも開花が遅い分、夏前まで楽しめますから
これから暫くはテーブルに薔薇の絶えない生活が始まります。
ウチは陽が射さないから...と諦めていらっしゃる方。
このブログに数回登場する薔薇は.......育ちます。

c0097879_212357.jpg


3枚目は今現在我が家で咲いている薔薇たち。
左から『Hume's Blush Tea-scented China』、
チャイナの『Louis XIV』、つる薔薇の『Mme. Alfred Carriere』。
中央の黒薔薇はティーの『Francis Dubreil』、
背の高い一重の可憐な薔薇はコハマナシとも呼ばれる『Rosa Iwara』。
四月からずーっと今も咲いています。
株元から伸ばした枝先ほぼすべてに花をつけますから、
軽い匂いながらも辺りを包むように優しい空気が漂います。
そして今、庭でいちばん鈴なりの『Duchesse de Brabant 』、
続いて『Mme. Alfred Carriere』、『Gruss an Aachen』となります。
ティー香、ダマスク香入り乱れ、狭い部屋ながらも辺りは5月の気配でいっぱいです。

花器を置いている鉄柵状のものは、
以前閉店した焼き肉屋の店先に打ち捨てられていたもの。
肉汁と油の匂いがちょっとキツかったのですが、
金ブラシで錆を落とし、油を塗り混みいい感じに甦りました。
支えている台も古い鋳物で出来た皿立て。
瑞々しい摘みたての薔薇は落ち着いた錆色によく映えるように思います。

〜 JUST AS THE SLEEPING ROSE AWAITS THE KISS OF MAY.....。
ノルウェーのボーカリスト、Karin Krogが1974年にリリースした
ミッシェル・ルグラン集、『YOU MUST BELIEVE IN SPRING』からのタイトル曲。
曲中に綴られる素晴らしい一節から。
この美しい季節に相応しく、耳をくすぐるような甘美な響きです。

G d D
[PR]
by MiscellaneousOGRs | 2007-05-03 00:00 | 月季
←menuへ