その翳り.....、凄艶なる美しさをもって完結とす。


c0097879_1325116.jpg


〔Deuil de Paul Fontaine (Moss Rose)/Fontaine:France:1873〕

社交辞令としてのおざなりな挨拶ではなく、
天候の話題を皮切りに、自然と会話が進んでゆく...。
植物と共に暮らすようになってからというもの、
それまでの生活とは線を引くように区切られた、
新たな習慣のようなものでしょうか。
シーズンには、天候の事が自然と気になります。
四季と共に日々を重ね一喜一憂。
まさにそんな感じ!?

今日の薔薇は我が家の一期生。モスローズの『Deuil de Paul Fontaine』。
薔薇に出逢い、その開花に至るまで胸を焦がし続けた一年目の春。
吹きすさぶ気まぐれな春の嵐に、楚々とした横顔をはらはらと散らす白薔薇。
はんなりと頬を染めるように俯き、春雫に彩られ深々とこうべを垂れる桃薔薇。

その当時、庭には紅い色はこの薔薇をおいて他にはなく、
衝撃は年を追う毎に鮮烈な記憶となり、この胸に強く刻まれたのでした♪
現在でも、様々な植物...、個性溢れる草木の中に在りながら、
その佇まいは特別な位置を独り占めにしたまま...。

触れる事を許されぬほどに、棘に覆われたその躯。
生々しく鮮烈なその香り。
開き切る一歩手前、後ろ姿は遊女のうなじにも似たしどけなさ...。
散り際に見せるその深い色合いには凄みさえ漂っているように思います。
加えて、拝された名もたいへんに情緒ある響き。
非常に洗練された、完成度の高い、自然が創り出した奇跡ですね。
翳りが色を喚起する...、そんな雰囲気でしょうか...。

1枚目の写真は、昨年2006年の春の姿。
稀に見る悪天候。それぞれの薔薇の成長と開花が微妙に前後し、
本領を発揮できなかった薔薇たちの中にあって、
今までにないほどに沢山咲いてくれました。
木が充実したのでしょうか?
美しさもさることながら、内側から発散される力強さに圧倒された次第です。
返り咲きとされていますが、我が家では残念ながら一季咲き。
慌ただしいままに、なんの準備もなく撮った1枚。
今年は襟を正してキチンと撮影しなくては...、そう思っています。

挿しているのは、Tse&TseのVase d'Averil、『四月の花器』。
昨年、誕生日に友人からいただいたものです。
21本の試験管は、薔薇のシーズンにはたいへん重宝する優れもの。
野の花を生けても、秋に色づいた実もの...、小ぶりな枝を挿しても。
如何ようにもアレンジは自由自在。シンプルなネーミングも素敵です。

春に生まれ、それぞれに命を宿す草花達を、
僕は勝手に『春仔』と名付けています。

今年の春は、現在の暖かさが嘘のように寒が戻り、
やや荒れ気味の天候になるといわれていますね。
昨年よりも更に個性的な春の姿に唖然とさせられるかもしれません。
願わくば穏やかに和やかに、降り注ぐ陽射しも瞼に眩しく.....。
そんなキラキラした春になって欲しいですね!

G d D
[PR]
by MiscellaneousOGRs | 2007-01-28 00:00 | Sweeter than Sweet
←menuへ