呼び醒ますは、雨.....。季節知らずの冬の薔薇。


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薄暗い室内、膝の前には白い画用紙。
クレヨンは色も鮮やかに散らばり.....。
何故か窓は開け放たれたまま。

扉一枚隔てた台所から聞こえる食器の触れあう音。
左右の薄い鼓膜に響く優しい生活音と雨垂れの音。

蒼い軒下から眺めるは、無数にストライプを描く雨。
消えそうになりながら、時に想い出す幼い頃の光景です。

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〔Louis XIV (China Rose)/Guillot:France:1859〕

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室内では春を待つ球根が芽吹き、
時折激しく降りしきる雨に、花弁を染めながら薔薇は俯く。

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〔Grace (English Rose)/Austin:UK:2001〕

1.2枚目の写真はチャイナローズの『Louis XIV』。
四季咲き性にたいへん優れ、雨の中でも鼻腔をくすぐる程の強い香り。
秋深まる頃から冬にかけて...、黒く染まる花弁はさながら天鵞絨のよう。
加えて、散り際もたいへん潔く美しい薔薇です。

4枚目はイングリッシュローズの『Grace』。
アプリコットの薔薇に熱をあげていた頃に入手した薔薇のひとつ。
繰り返しよく咲き、果実のように甘い匂いを持っていますが、
開き切ると、まるで小ぶりな菊かダリアを思わせる姿へと変貌します。
それがこの薔薇の個性でもあり、一種独特の雰囲気を醸し出していますが、
個人的には、開き切るちょっと手前、この位の状態が美しいように思います。
切って室内には挿さず、庭で散らせるのがこの薔薇には相応しいとも...。

最後の写真はティーローズの『Souvenir d'Elise Vardon』。
類似、あるいは同一品種ではないかと指摘される『香粉蓮』と共に、
現在3本育てていますが、非常に繰り返しよく咲きます...。
開き切った姿に本来の美しさを発揮しますが、この姿もまた風情、冬の表情です。

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〔Souvenir d'Elise Vardon (Tea Rose)/Marest:France:1855〕

さみしい風景は、時に強い郷愁を伴って眠る記憶を呼び醒ます...。
滲み渡る雨と共に、色を散らした冬の薔薇をこの上なく美しく感じます。
枯れた色彩の水墨画に、時に色をまき散らしたくなるような感情。

予想外の雨に見舞われた日。
過ごし方は季節によって異なりますが...。
ストーブの青い炎に湯気をたてるケトル。
片や、吐く息も白く凍る冷たい雨の庭。
皆さんは一日をどのように過ごされますか?

季節を問わず、雨の日には窓という窓をすべて開け放すようにしています。

G d D
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by MiscellaneousOGRs | 2007-01-07 00:00 | 月季
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